過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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45: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/11/01(金) 23:43:35.09 ID:Qj3Jsq+X0

コツン。

男の靴のカカトとコンクリートが、小気味良い音を奏でた。

「くぁ、」

彼は、トールと同じように神の名を名乗る魔術師だ。
専攻は幻術であり、基本的にはインテリ派である。

(……だってのに。人使いの荒いヤツだ)

ウートガルザロキは伸びをしながら、ぼんやりと魔神である少女を思い浮かべる。
とある事情から彼女についている訳だが、正直得たものは少ない。
少ないが、それでも失ったものに比べればマシかな、と思うので。

(んで、トールってのは……あれか)

事前に受けていた情報と、遠目に見える少年の容姿を重ね合わせる。
長い金髪は女のような印象を与えてくるが、あれでバリバリの武闘派もとい戦闘系なのだ。
世の中っていうのはうまくいかないものだな、とウートガルザロキは思ってみたりもして。

(……ん?)

ふと。
ただならぬ威圧感に視線を向ける。
そこに立っているのは、ゴルフウェアのような、青を基調とした服を纏う大男だった。

「貴様は何者である。もしや、"彼女"を追っているのであるか」
「あん? …女? 男だろ、よくよく見れば」
「……詳しく知っているようであるな」

排除するべきか。

男の静かなる戦闘意思に、細身の男はビクついた。

大男―――アックアは、ウートガルザロキがフィアンマの話をしていると思っており。
青年―――ウートガルザロキは、アックアがトールの話をしていると思って返事をした。

中性的且つ身体変化術式を持つ魔術師が二人居るとこうなる。
両者はお互いの勘違いにも気づかぬまま、狙われては困る相手の為に戦いを開始した。


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