過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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462: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/01/19(日) 23:29:39.19 ID:Oze1huzB0

「……もうかかわらない」

彼女はベッドに手をつき、ふらふらと立ち上がる。
引き止めたい、けれどやっぱり、声が出ない。

「……もう頼らない。甘えたりしない」

深呼吸をして、彼女は目元を拭う。
最初から出ていた答えを、再確認するように。

「……俺様が生きていることが、そもそもの誤算だった」

元を正せば、生まれてきたことすら。
自分の選択に、人生に、何の意味もなかった。
ただ、大好きな人達を不幸にしてきただけだ。

「俺様じゃなくたって、トールを好きになる女は沢山いる」

彼女は、笑みを浮かべる。
歪んだ笑みだった。
その身体は、小さく震えていた。

「その中に一人くらいなら、トールが好きになる女だっている」

言い聞かせるように。
そうしなければ、前に進めない。

(フィアンマ、俺、は……代わりじゃ、嫌なんだよ。何で、)

トールの指先が、ぴくりと動いた。
背中を向けているフィアンマは、気づかない。







「もう、大丈夫だ。俺様が、全人類の免罪符になる。――――さよなら」


ドアが閉まる。
『あの日』と同じように、無残に、残酷に。


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