過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/10/27(日) 16:17:11.24 ID:GfZ+gmO70
そして、俺の攻撃が届くまでもなかった。
相手が行ったのはただ一度、右手を振っただけ。
それも、虫を払うかの様な、平凡な動き。
それだけだった。
しかし、俺の身体は吹き飛ばされ、身体全体には重いダメージが残った。
恐らく『俺に合わせて』、敵の持つあの赤い腕が効果を発揮したんだろう。
『が、っ……』
『……つまらんな』
せっかく応じてやったのに、とばかりの声。
金色の瞳は酷く冷えていて、笑みは氷の彫刻のようだった。
俺はのろのろと手を伸ばし、霊装を消費してダメージを癒す。
周囲に被害は出ていない。ただ、俺だけを確実に倒してくれる『敵』。
どこまで強くなればあの腕に倒されないのか、勝てるのか、それを考えると笑みが浮かんだ。
『は、ナメやがって…ッッ!』
楽しい。
未だかつて、こんなにも楽しい戦いはあっただろうか。
何度も攻撃に立ち向かう度、容赦なく腕が振るわれる。
霊装を消費しても癒しきれないダメージが、徐々に体に蓄積してきた頃。
『おや、……時間切れか』
相手の『腕』が、空中分解を起こした。
俺の中の熱も急速に褪め、色あせていく。
『興ざめだな』
『すまないな。いかんせん不完全なんだよ』
やれやれ、と男は肩を竦め、俺に背を向けた。
『次は、もっと強くなってから出直してくるんだな』
『そうするよ』
また戦いたい、と思った。
あんなに最適な相手とは二度と出会えないだろう、と思った。
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