過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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50: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/11/01(金) 23:46:24.64 ID:Qj3Jsq+X0

先に動いたのは、アックアだった。
文字通り目にも止まらぬ速さで、フィアンマの間合いへ入ろうとする。
意識を絶って連れていこう、という魂胆だったのだろうか。

「……トール。下がっていろ」

つまらなそうに彼女は言った。
対して、トールはやや好戦的に返す。
一瞬の間だったが、それは会話だった。

「いいや、そうはいかねえよ」

予定とは違ったが、見た限りではこの男はフィアンマと同じ『神の右席』。
つい出来心、程度の衝動が、爆発的にトールの中で膨らんでいった。

ガギン

メイスと、トールの指先から伸びたアーク溶断ブレードがぶつかり合う。
ぎりぎりと押し合い、指に負担のかかったトールは僅かに表情を歪める。

「一つ言っておく。私は聖人である。そして、同時に『神の右席』だ。
 中途半端な考えで喧嘩を仕掛けては、命はないと思うことである」
「そりゃありがたいご忠告なことで。ま、安心しろよ」

彼は少しだけ考えて。
それから、『雷神』をやめた。

瞳に、炎の様な煌き。
殺意はなく、単純な戦闘意思がそこにはあった。
直接戦闘を追究していった、戦争代理人と呼ばれてしまう程の、その異常性の片鱗。

「雷神程度のトールさんじゃ、ちょっと相手にならなさそうだしな」

全能の神を冠する少年は目を細め、ニヤリと笑う。
対してアックアは笑み一つ浮かべず、ただその身で武器を振りかざした。


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