過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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538: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/01/29(水) 00:28:44.36 ID:iydartIF0

『戻りたい、って思わないのか?』
『こうなってしまった以上は、いっそ戻らない方が良いだろう』

空を仰ぎ、フィアンマは目元を擦る。
涙ぐむなど、らしくもない。

『俺様は、存在ごと消去された。
 となれば、トールも俺様のことを覚えているはずもない。
 仮に覚えていたとしても、諦めてしまった方が幸せだよ』

そして、戻る手段も考えられない。

肩を竦める彼女を見、上条は立ち上がる。
不思議そうに彼を見上げたフィアンマに、彼は手を差し出した。

『トール、だっけ。一緒に探しに行こうぜ』
『無理だよ。俺様がどれだけ捜したと思って、』
『一人なら無理でも、二人なら見つけられるかもしれないだろ?』

偽善者の慰めかもしれない。
それでもいいかな、とフィアンマは思った。
握手をするように手を握り、立ち上がる。

『フィアンマの気持ちが、収まるところに納まるまで。
 何百年でも、何千年でも付き合ってやるからさ』



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