過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/02/16(日) 01:43:17.83 ID:/+rIk/6L0
ぶら下げられているものが高級になるにつれて、糸は短くなる。
糸が短いということは、切断出来る範囲が狭まるということ。
フィアンマが願ったものは、細身のネックレスだった。
普通に購入すれば、円通貨にして千二百円程度だろうか。
「……なかなかうまくいかんな」
微妙なタイミングのズレで四回程獲物を逃し、フィアンマはそうぼやいた。
トールも努力はしているのだが、いかんせん逃してしまう。
設定でそうなっているのかもしれない。失敗するように。
「狙いを変更してくれ」
指差す先にあるのは、高級クッキーの詰まった小さな缶。
「よくよく考えたら、こちらの方が良い」
トールやる気を削がぬよう一言付け加え、フィアンマはじっと待つ。
一つ返事で、トールは獲物を変えた。
今度は先程よりもう少し糸が長いので、ぼとっ、と落ちる。
「っし!」
「流石、動体視力は素晴らしいな」
礼儀として褒め、缶を受け取るフィアンマは満足そうだった。
人から物をもらうことが、彼女は好きだった。
くれる相手が世界で一番愛しい少年ならば、喜びも何十倍である。
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