過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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665: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/03/21(金) 23:37:16.43 ID:rD9HxYdm0

「お付き合い、長いんですか?」

着替え室は存外に広い。
女性スタッフの質問に、フィアンマはちょっとだけ迷って。

「…二万年ちょっと位かな?」
「えっ!?」
「……冗談だよ」

くすくすと笑って誤魔化し、彼女はドレスを見上げる。
トールと出会った頃より少し伸びた赤い髪が、さらさらと揺れる。

「仲良しオーラ出てましたよ、すっごく」
「そんなにベタついているように見えたのか?」
「いえ、どちらかというと遠距離恋愛っぽい雰囲気でしたけど」
「……当たらずとも遠からず、といったところかな」

少なくともほんのつい最近までは、自分はこの世界に存在しなかったのだから。
世界で最も遠い遠距離恋愛。

一着のドレスを手に取る。
長袖の上からビスチェで締め付けるタイプのものだ。
フェミニンで、上品というよりは可愛い印象のあるウェディングドレスだ。

「……未だにヤツの好みがわからん」
「彼氏さんの好みですか?」
「あまりファッションにこだわりが無いからな、お互い」
「何も言われないってことはきっと理想がないんですよ。
 あなたが着ることに価値があるんだと思います。きっとね」

褒め上手だ、とフィアンマは思った。
だからといって有頂天になる程お気楽な人間ではない。

「………」
「こっちのアクセサリーなんかもどうでしょう」

にこにことしながら、女性はネックレスを見せてくる。
美しく輝くダイヤモンドを眺め、フィアンマは軽く首を傾げた。




(……可愛く着飾ったら、喜んでくれる……かな)



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