過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/11/04(月) 22:59:43.34 ID:OhJNqj940
誘い文句は、明るかった。
所属している、という文言から、彼がリーダーではないのだろう。
「あー……」
トールは、少しだけ迷う。
そして、ちらりとフィアンマを見やった。
彼女は一度拒絶しているが、どうやら他の『神の右席』の人間は彼女の帰還を求めているらしい。
恐らく、このまま離れれば彼女は再び回収に来た人員とバチカンへ戻れるだろう。
自分じゃなくても。
彼女は、ひとまず養ってくれる人間が居れば良かったのだから。
多分、自分でなくても彼女を好む人間なら養ってくれるだろう。
自分は再び一人に戻っても何の問題もない。
何のデメリットもないし、ひとまず所属してみようか―――、と口を開こうとして。
ウートガルザロキの腕が、唐突にありえない方向へねじ曲がった。
「な、ッが……!?」
殺意も敵意もない状況での、タイムラグのない攻撃。
骨折の痛みに耐える彼に攻撃を加えたのは、勿論トールではない。
「……それは困る」
何の考えもなさそうに首を傾げたフィアンマだった。
その手には短い杖型の霊装が握られている。
恐らく、ウートガルザロキの腕と魔術的に"接続"して折ったのだろう。
「この男は俺様のものだ。今のところは」
「ク、ソ…何者だ、アンタ…?」
「何者だと思うんだ? 当てられるとも思わんが」
フィアンマは杖を握り、再びウートガルザロキの身体のいずれかと接続しようとする。
トールは慌ててフィアンマの手首を掴み、男に『逃げろ』というサインを送った。
(こんな役回りばっかりかよ…、)
それにしても、何の動きも殺意も殺気も敵意もなく一撃を喰らわせるとは、尋常ではない。
青年は舌打ちをすると、ひとまずその場から姿を消す。
「おま、何やってんだよ」
「お前が頷きかけていたからな」
たったそれだけで。
異常だ、とトールは思い。
思わず後ずさりそうになるが、フィアンマは続けて呟いた。
「……せっかく、…」
言葉の最後までは聞こえなかった。
ただ、その言葉の響きがとても寂しそうだ、と思った。
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