過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
1- 20
811: ◆2/3UkhVg4u1D[saga !桜_res]
2014/04/06(日) 22:06:21.67 ID:Dfhriziv0

『…その様子だと子煩悩になりそうだな』
『俺自身もそう思う。悪いことじゃねえだろ?』

それにしても服などを買い漁り過ぎなのでは。
もはや浪費の域に達している育児道具購入量を鑑みて、フィアンマは苦く笑った。
しかし、それだけ、彼が子供のことを楽しみにしているのだとわかる。
優秀な助産師の居る病院を選び、絶えず体調を気にしてくれて。
今までも少々心配性気味なところはあったが、近頃は更にその傾向が顕著だ。
悪い気分にはならない。彼も自分も、両親は居なかった。
だからこそ、良い親になりたい。いや、平凡で、幸せな家庭を築ければそれで良い。
『特別』や『最善』がどれだけくだらないものが、よくわかっているから。

『女の子と言えば可愛い名前か…そうそう名前負けはしないだろうしな』
『あまり目立たせてもな……』

臨月に入って、悪阻はなくなった。
体調は比較的安定しているし、病院の定期検診でも何も言われない。

『…ま、俺が心配してるのはどっちかっつーとフィアンマだけどな』
『自然分娩の内は問題ないと思うがね』
『死ぬなよ、頼むから』
『俺様個人としては死ぬつもりなどまったくない』

ストールの端っこを弄り、トールは本を熟読している。
よもや自分が誰かと愛し合い、母親になるとは思わなかった。
思わなかったけれど、今この時を、心から幸せだと思う。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/658.71 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice