過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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853: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/04/13(日) 00:25:09.25 ID:QaAtKMoF0

やはり緊張する。

赤い薔薇が三本に白い薔薇が七本という取合せの花束を手に、トールは深呼吸した。
生花の花束から漂う薔薇の香りで頭がスッキリとする。
古来よりアロマオイルなどに使われるだけあって、様々な効能がある薔薇。
もしかすると薔薇を渡すことで相手の精神を変調させられるのでは。
だからプロポーズやデートには花束を渡すのでは、なんて考察しながら。

「…フィアンマ」
「ん、時間は丁度だな……」

じゃあ行こう、と言葉を紡ぎかけ。
トールを見上げたフィアンマは、珍しく素直にきょとんとした表情を見せた。
完璧に刺の抜かれた美しい花束を差し出して、トールは笑みを浮かべる。

「プレゼントだ」
「…俺様に?」
「あー、花束苦手か?」
「花束が嫌いな女は少ないと思うが」

思っていたより淡白な反応だった。
とはいえ、表情は嬉しさというものを雄弁に語る。
幸せそうな柔らかい笑みを浮かべ、フィアンマはベンチから立って、彼から花束を受け取る。
その花言葉を少し考えてみたのか、思案の表情。

「……それで、夕飯はどこで食べるつもりだ?」

花束の意味するところに気がついたのか、フィアンマは誤魔化すようにそう問いかけて。
決めてある、とトールは彼女の手を握って前へ前へと進み歩き始める。


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