過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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898: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/04/27(日) 22:47:04.02 ID:8S7XW5N50

今から、約十三年後。
そんな未来から来た、と彼は言う。
つまり年齢が十三も離れているのか、とフィアンマは頷いて理解し。
二人は揃って高級ホテルの一部屋へとやってきた。
未来や過去というのは別世界と捉えた場合、移動はさほど難しいことではない。
魔術の知識を総結集して術式を構築すれば、異世界の法則に則って世界移動は行える。
勿論、『異界反転(ファントムハウンド)』レベルの大規模儀式魔術程の術式でるならば、だが。

「……随分と良い部屋だな」
「サービスは良いし、多少何やっても目を瞑ってくれる。値段は、サービス料の高さだな」
「こんな場所に長期的に宿泊してやっていけるのか?」
「ちょっと厳しい。そろそろアパートメントの一室で借りるべきかとは思ってる」
「…ん? ということは長く滞在するつもりなのか」
「ちょっと色々あってさ」

ベッドに並んで腰掛ける。
時計の音が部屋を満たす。
トールは手を伸ばし、美しい音色のオルゴールを再生した。
昔ながらの、ネジ
柔らかい音色が奏でているのは、チャイコフスキー交響曲第6番。

『悲愴』。

こんな音楽が好きだっただろうか、とフィアンマは首を傾げ。
しかし、十三年もの月日が経てば、人は多少なりとも変わる。

「未来のことを尋ねても構わんか」
「……、…ああ」
「俺様とトールは、どうなっている?」

無邪気な問いかけに。
トールは、十三年前、或いは三年後の出来事を思い返していた。


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