過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/04/27(日) 22:54:25.51 ID:8S7XW5N50
薬を使われているのか、あるいは何らかの呪術か。
倒れたままの彼女は、力なくぼんやりとした表情を浮かべていた。
失血のせいで抵抗出来なかったのかもしれない。
薄い腹部は開腹され、だらだらと血液が床に広がっている。
内臓の一部は、床に転がっていた。
もう、どうすることも出来なかった。
何をしたって、彼女は助からない。
『とー………る……?』
『フィアンマ』
身体を抱えて、抱き寄せた。
べったりと否応なしに彼女の血が服を汚した。
もう痛みも感じない時期にきているのか、彼女は微笑んでいる。
『すま、ないな……子供、が心配、で…魔術、もまともに、』
『……わかってる』
『トールは、……やっぱり、俺様の…王子様、だ。ヒーロー、…って、言い換えても、いい』
『そんなことねえよ。…俺は、お前を助けられなかった。
結婚したのに、お前の味方だって言ったのに。俺は……!』
『ゆうえんち、……覚えて、いるか?』
『遊園地…?』
『あの時も、…こんな風に、……トールが、抱き上げて、くれた。
俺だけ、みていれば……こわくないと、…言って、くれたな』
『やめろよ、』
『あれ、……嬉しかったんだ。…俺様も、普通の女の子みたいに、……なれるきがして』
『やめろ……』
『俺様、と…トールの、…あかちゃん……あかちゃん、は…?』
真実を言えるはずがなかった。
流れ出す涙で、彼女の表情があんまり見えなくなってくる。
それでも、精一杯の笑顔を浮かべた。
せめて、彼女を安心させてあげたかった。
嘘を、ついた。
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