過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/04/27(日) 22:56:25.49 ID:8S7XW5N50
世界中の恋人を、親子関係を、人間関係の全てを。
変装術式で欺き、利用して、瓦解させた。
その不和は世界中に広がり、戦争という形に出力された。
彼女が救おうとした世界。
彼女が居た、世界。
もはや、そんなことはどうでもよかった。
全て、消えてしまえばいいと思った。
彼女が遺してくれたものは、彼女と、娘の墓。
それから、『聖なる右』を利用した自動出力術式の算出方法。
それを使って、右手を振るだけで任意のものを全て壊し殺す『投擲の槌』を創った。
彼女の最期の血がついたストールも服も、保管するのみで、着ないことにした。
彼女の数少ない形見である血液だったから。
葬式の時に着た、モノトーンのスーツを着るようになった。
『髪を伸ばしてくれ』
彼女がそう言っていたから、髪は伸ばし続けた。
以前、貰った髪留めで髪を留め、以前貰ったストールを身につけた。
彼女が死んで、十年後。
自分以外の全人類は、死体になった。
その死体を上手に配置して、世界を移動した。
他の『自分』を絶望させてでも、彼女を取り戻したかったから。
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