過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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934: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/05/02(金) 23:24:12.35 ID:Qx7dtyTN0

その頃、雷神トールは見当はずれにも、オッレルスの下に居た。
シルビアが買い出し中の為、そこに居たのは彼一人。

「……フィアンマは何処だ」
「彼女? ここには来ていないけど」

彼が語っているのは事実だ。
実際、フィアンマはオッレルスへただの一言も連絡していない。
とはいっても、雷神トールがそれをそのまま信じるはずもなく。

「隠してるんじゃねえだろうな」
「そんな訳ないじゃないか」
「………」
「敵意を向けられても……」

心底困惑しながら、オッレルスは首を横に振る。
先日、彼とトールは和解し、現在地を教えあった。
謝罪だけでは、因縁や疑いはそう簡単に消えない。

「色々調べさせてもらうぜ」
「好きにしてくれ。本当に居ないんだけどね」

痴話喧嘩でもしたのか、という問いかけに、肯定とも否定ともつかぬ返答をした。

「見つからないんだよ。……通信も完全に絶ってやがるし」
「襲われた、とかじゃないかな」
「俺もそれは考えた。…けど、俺とアイツしかわからない通信霊装の術式も遮断してある。
 自分の意思で切ったってことだし、脅迫されて切る意味はない。
 だから、アイツは今信頼出来る誰かと居る。自分に危害を加えたりしないだろうと考えてるヤツと」
「それで、私の所へ来たのか。残念だけど、私は彼女からさほど信頼されてはいないよ」
「可能性のひとつとして来ただけだが、…マジで居ねえんだな」

家中を調べ尽くし、トールは静かに項垂れる。

「後はオティヌスだろうが、…流石にわからない」
「協力してあげられれば良かったんだけど…あ」

トールの扱えないサーチ術式で探そう、とオッレルスは提案する。
そして少年は、それに頼ることにした。他人に頼ることも、また力だと知っているから。


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