過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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964: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/05/05(月) 02:28:47.58 ID:JDj3Q3oh0

フィアンマと喧嘩をして出て行かれて、四日。
奇しくも、トールが彼女を救うのに間に合わなかった時と同じだけの日数。
雷神トールは疲れた身体を無理やり動かして、のろのろと歩いていた。
ミラノの街は既に人がほとんど居らず、閑散としている。皆、散らばって他国に避難したのだ。

天気模様が悪くなってきた。

今にも泣き出しそうな真っ黒な雲を見上げる。

「……フィアンマ」

彼女は今、暖かい場所に居るだろうか。
寒い思いをしていないか、苦しい目には遭っていないか。

後悔よりも先に、彼女への心配が募る。
会ったらまず謝って、抱きしめて、それから少し怒ろう。

「……それが出来りゃ良いけどな」
「ッ」

揶揄するような男の声に振り向き、目を疑った。
装いこそまるで違うものの、明らかに『自分』だった。
年齢はだいぶ上のように感じられる。十は離れているだろうか。

「無様だな。そうやって、お前は何も守れないまま死ぬんだ」

言って、男は右手を振った。
トールの背後、建物の群がまとめて崩れてくる。


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