過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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966: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/05/05(月) 02:30:19.61 ID:JDj3Q3oh0

「三年後、お前はフィアンマと結婚する。
 それから程なくして、彼女を殺される。
 産まれて来るはずだった娘も、彼女自身も。
 全部テメェが我が儘を突き通した上に、それを正当化出来ない程弱かったからだ。
 お前がフィアンマをどこかで諦めておけば、こんなことにはならなかった。
 テメェ自身も殺されなくて済んだ、俺に。俺は未来のお前だ。失敗したお前自身だ。
 今度は、俺が我が儘を突き通す。力のないテメェは黙って俺に譲れ。
 お前が今までそうしてきたように、弱者から奪って自分の世界を満たす!」

一方的な暴力だった。
腹に蹴りを入れられ、顔を殴られ、壁に叩きつけられる。
片脚を当然のように折られ、皮膚をごそりと抉られた。
降り出した雨が傷口に沁み、絶叫することすら許されない激痛が精神を圧迫する。

「二つに一つだ。……フィアンマを諦めるか、ここで死ぬか」

問いに続いて語られた未来は、あまりにも残酷だった。
きっと、目の前の男に彼女を任せれば、そんな未来はこない。
自分よりも遥かに強いのだと相対してわかるから、それは確実だ。

だけど。
でも。
それでも。

「………沢山理由はあったけど、諦めるなんて出来なかった」

『地獄』で何度も選ばされた。
彼女を見捨てて楽になるか、彼女を選んで苦しめられるか。

今回は、逆の問いかけだ。

彼女を選んで苦しめられるか、彼女を見捨てて楽になるか。
より正確に言えば、彼女を自分の傍に置きたいと我が儘を言う程、苦しめられる。

「……今回だって、諦めることなんか出来ねえよ」
「…………それが、最終回答なんだな」
「…は。そもそも、過去<俺>にばっかり責任押し付けてんじゃねえ」

破綻した論理に返すのは、筋道の通った意見。

「お前はお前だ」

一分後の自分は、一分前の自分にはなれない。
逆もまた然り。だって、今のトールはフィアンマを殺されたりなんかしていない。

「絶望位、自分で処理しやがれ!」



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