過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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980: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/05/06(火) 22:08:59.83 ID:2l3uVMit0

終わった、のか。

姿を消したトールを追いかけるでもなく、フィアンマはトールの傍らに座ったままでいた。
あまりにも濃密な数日感に、目眩がする。
彼がこれからどうするのか、予測がつかない。
とはいえ、自分達に関わってくることはもうないだろう、と感じた。
言うべきことは言って伝えた。どう考えるかは、彼自身の問題だろう。

「……俺様が死んでも、大切にしていたんだな」

彼が身につけていたものを思い返す。
自分があげたものを身につけていたことを。

「………!」

はっ、と振り返る。
浅い呼吸を繰り返す恋人を見、血の気が引いた。
輸血パックなんてものはなく、治癒術式を行うにも材料が足りない。

「病院まで向かうが、保つか…?」
「だい、じょ……ぶ…だろ……」

彼の顔色は非常に悪い。
力の入らない少年の身体を抱え、彼女は描いておいた転移用の陣に足を踏み入れる。


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