過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
1- 20
99: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/11/09(土) 14:26:24.54 ID:sMiEhRci0

全ての部屋を巡り、箱に鍵を入れるのがこのお化け屋敷(病院)の課題。
鍵を入れる箱は、ランプの上に設置されている。

「まずは…」

ランプについているボタンを操作し、立体映像の地図を見る。
ランプに付属のGPS機能により、鍵を回収した箇所には丸が付けられるようになっていた。

「手術室か」
「…存外怯えてはいないんだな」
「好きじゃないが、耐えられる範疇だっての」

歩く。

コツン、カツン。

靴音が、いやに響いた。
遠くからは時々、うめき声のようなものが聞こえる。
恐らくは録音したものなのだろうが、再生機器が優秀なのか、とてつもなくリアルだ。
トールは地図を眺め、彼女の手をしっかりと握ったまま歩く。
多くの土地を旅しては戦ってきた彼にとって、何かを決めることは苦ではない。
対して、フィアンマは大聖堂の奥に座して全てを決め、指示をすることが多かった。
そして、仕事モードではないので決めることは億劫だった。相性が良いのである。
これがどちらも主導権を握りたがるタイプだとまず喧嘩になる。

手術室のドアを、開けた。

ベッドの上には死体らしきものがある。
設定としては、どうやら手術を失敗してしまったようだ。
メスを入れるステンレスの器の中に、鍵は鎮座している。

「俺様がやる」

冷静にそう告げると、彼女は手を伸ばした。
鍵を指先でつまみ、箱へ入れる。

ぐるり

医者、看護師、死体。
それら全ての目が、二人を見た。
思わず身が凍ったが、ゆっくりと動く。
そして緩やかに手術室を出て、ドアを閉める。

「…ビビった。何だ、思ったより怖くねえな」
「ランプがまだ緑色だからじゃないか?」

二人とも緊張はしているが、まだまだメーターは溜まっていない。
次の部屋へ向かって、二人は歩き出す。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/658.71 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice