過去ログ - 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part10 -SS速報VIP

過去ログ - 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part10

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931:過去の遺物な人[sage]
2015/08/18(火) 21:37:33.65 ID:KOfygwpO0
人間、１０年も生きれば後悔の一つや二つはする物で･･･実際後悔に後悔を重ねて生きてきた身な訳で。
わが人生にいっぺんの悔いなしとか夢のまた夢でしかないだろうと、そんな風に考えて生きてきたけども･･････
今回の後悔は今まででも１，２を争う酷さになりそうだ。

■■■
事のあらましはこうだ。
退屈を持て余している腐れ縁の友人、結城士道の暇つぶしになればと･･･ある噂を話した。

「ひきこさんって聞いた事あるか？」
「･･････新手のアイドルかなんか？」
「いや、妖怪の類･･･」

要は人間を引きずり[ﾋﾟｰｰｰ]女の妖怪だ。

「で、それがどうしたんだ？」
「出るらしいんだよ、旧校舎に」
「ふぅん･･･で？」
「確かめて見ないか？」

こんな話を実行しようなんてどうかしてたんだ。

■■■
ひき子さんが出るのは雨の日、だから雨の日を待って旧校舎に向かった･･･が。

「旧校舎に入るのは禁止されてる筈だけど？」
「げっ･･･」

委員長の篠宮雨音に見つかった。
「･･･見逃しては･･･「いいわよ」ですよね･･･って、え？」
「良いって言ったんだけど？私も正直興味あるの」
「でも、一人で行く度胸は無かったわけか」
「結城うっさい」
結果、三人で行く事となった。
今思えばあそこで引き返すべきだった。

窓を叩く雨、鳴り響く風音、時折光る雷････････････シチュエーションは完璧すぎたと言っても良い。
床を踏むたびにギシギシきしむ辺りも万全だ。
だから、だから気付かなかった―――――何かが動く音に。
だから、引き換えし損ねた。

気付いたのは、壁を突き破って女の子が転がって来た時だ。
「･･･え？」
「おいおいおい･･･」
「･････････」

転がって来た傷だらけの女の子。
その子が突き破った壁の向こうに居た、白衣で色白の女･･････手からぶら下がってる人型の･･･
「委員長、見るな！」
「え！？」
咄嗟に委員長の目をふさぐ、人間だった肉の塊なんて女の子が見る物じゃない。

「･･･士道、どうする？」
「･･････逃げ切れないよな？」
「多分･･･」

後悔と無縁の人生なんてまず望めない、そんなのは判ってるけども。
ここまで酷いのも早々無いと思うんだ。

【ケース０１　将馬零央の場合】

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