24: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2013/10/30(水) 23:03:07.85 ID:eT7JBZAL0
「彼なら……丁度いいかもしれないわね。静と同じ学校の子だし、近づくのも容易でしょう」
「ああ。しかし、彼女……静・ジョースターが、まさか生きていたとはな……」
「少し驚いたけど、そうね。彼女なら納得だわ。私は彼女のそういう所を、すごく尊敬している。彼女はコンプレックス等、弱いところが沢山ある。それが……彼女の強さなのよ。彼女の強さになっているのよ。弱さを強さに変える、そういう所が尊敬出来るのよ……」
25: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2013/10/30(水) 23:05:06.91 ID:eT7JBZAL0
「ぜぇーんぶ、貴方がやったことなのよ」
「ぼ、僕が……?」
「そう。貴方は『矢』に選ばれたの。『矢』の力によって、貴方は……こんな力を手に入れたのよ」
26: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2013/10/30(水) 23:07:04.86 ID:eT7JBZAL0
「彼らは、貴方に危害を加えようとした。きっともっといっぱい、社会の弱い人達を食い物にしてきたのでしょうね。彼らが死んで、喜びこそすれ、悲しむ人なんているかしら?」
「しかし……しかし、僕は……!」
「貴方の能力は素晴らしいわ。……社会のゴミを、本当のゴミに変えることが出来るのだもの……確かに、貴方が彼らを殺したのは事実。それは恐ろしいことかもしれない。……だけど、貴方は社会のゴミ掃除をしたのよ?人々から喜ばれることをしたのよ?どうしてそんなに、怖がっているのかしら?ねぇ……?」
27: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2013/10/30(水) 23:09:44.79 ID:eT7JBZAL0
「それでも恐ろしいと思うなら、それでも怖いというのなら……私が、この有栖川メイが、貴方を導いてあげてもいいわ」
メイの指が僕のあごをなぞる。
背筋がぞくぞくした。恐怖で、ではなく、興奮で、だ。
28: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2013/10/30(水) 23:10:27.71 ID:eT7JBZAL0
僕の『何か』が変わっていった。
29: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2013/10/30(水) 23:11:38.44 ID:eT7JBZAL0
「それなら……『忠誠』を」
するり、とメイが靴を脱いだ。
素足だ。すべすべで、贅肉とか出っ張った筋肉とかいう無駄が全くない。
洗練された、細くて長い足だ。
30: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2013/10/30(水) 23:15:03.63 ID:eT7JBZAL0
「『友達』という関係に……少し、『忠誠』が加われば……それはとても、すごく素晴らしい関係になる」
「……『忠誠』……だって?」
ごくり、と生唾を飲み込む。
31: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2013/10/30(水) 23:16:55.53 ID:eT7JBZAL0
「貴方が『忠誠』を誓ってくれれば……私は貴方に、その能力の使い方を教えてあげる。道を示してあげるわ。貴方はその能力を、私のために使ってくれればそれでいい」
「メイの……ために……」
「『36名以上の魂』……それを集めるのに、貴方の能力は調度いいわ。それに、貴方なら……静を殺すことも、簡単かもしれないわね」
32: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2013/10/30(水) 23:19:41.28 ID:eT7JBZAL0
「……教えてあげるわ。自分が何のために、誰のために産まれてきたのかを……ね?」
メイの笑顔には逆らえなかった。
いや……逆らうつもりもなかった。
僕は自然に、跪いた。メイの足を、まるで壊れ物でも扱うかのように、優しく、やさしく、手にとった。
33: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2013/10/30(水) 23:22:41.79 ID:eT7JBZAL0
「……誓おう。僕は、君に……『忠誠』を」
「そう。フフ、ありがとう。……これからよろしくね?『ウォーケン』」
産まれて初めて、名前を呼ばれたような気がした。
34: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2013/10/30(水) 23:24:44.77 ID:eT7JBZAL0
月明かりの下、
彼女のつま先に口付けをした。
地獄を舐めたような味がした。
…………
313Res/112.52 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。