過去ログ - 【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第19位【アラフォーマーズ】
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898: ◆rVyvhOy5r192[saga]
2013/11/06(水) 20:35:00.68 ID:sGXaeajGo




「おう、おう。俺だ。奈良に、行くんだよ……これから」


 給油がてら立ち寄ったSAで、煙管片手にスマートフォンへと語りかける。

 煙管という仰々しいものに人々は、一瞬目を見開くものの、すぐに個人個人の時間に戻っていく。

 悪目立ちするかと思いきや、道具ばかりに注意が向いて、持ち主に注目は集まらないらしい。

 家族旅行に来たのであろう。近くで須賀京太郎の話題で盛り上がる少年たちを眺めながら、

 なんとも気恥ずかしいような、微笑ましいような気分を覚え、一際大きく紫煙を漏らした。


『そりゃ判ったけど……どうして、また?』

「お前に会いたいからじゃ……駄目か?」

『……切るわよ』

「悪い、切らないでくれよ。あと……大丈夫か?」


 電話越しに聞こえた物音は、積んであった書類が崩れたからだそうだ。

 気を付けて欲しい。

 新子憧という女は、しっかりしてそうでどこか抜けているところがあるから。


『で、なんでまた?』

「仕事でそっちの方に行くことになって……ついでに、合わせて前倒しで休み貰った」

『なるほど、暇だと』

「暇になるかは……お前次第ってとこだけどな。どうだ?」


 暫しの沈黙の後に。


『……こっちには、どうやって?』

「愛車だよ」

『久しぶりに、二人乗りってのも悪くもないかもね』

「白馬でも、王子様でもなくて悪いけどな」

『そんなことないわよ。あんたは、あたしの王子様だから』

「へっ――」




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