過去ログ - 【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第19位【アラフォーマーズ】
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931: ◆rVyvhOy5r192[saga]
2013/11/06(水) 23:56:40.37 ID:pCQOm2/To

「……なんでもないですよ、玄さん」

『え、今――』

「――それじゃあ、また後で」


 そう呟いて、電話を打ち切る。

 高校生や大学生の時分ならともかく、今はもういい大人だ。

 確かに不安になったり、ナーバスになったりするだろう。そういう日は、どこかにある。


 だけど、誰かに頼るわけにはいかない。


 これは――勝手な気負いや、独り善がりじゃあないのだ。

 事実として以前とは異なり、自分の力で立ち直ることができるようになった。

 最近になっては、特にそうである。

 だから、一時の気の迷いで誰かに縋り付いてはいけないのだ。それは自分で解決できるのだから。

 きっと相手は、こちら以上にそれを気に病むだろう。気にしてくれるだろう。

 でも自分は、わりと直ぐに立ち直る。

 そうなったら――ただただ、迷惑をかけてしまうだけとなる。

 そういうのは、御免だ。


(それに……)


 ちっぽけだけど、自尊心があった。羞恥心があった。

 世間体じみた安っぽい意地やプライドがあった。格好つけたかった。


(この時期になると、彼女たちにフラれたことを思い出すからとか……格好悪くて言えねーよ)


 単純に、そこに尽きた。

 高鴨穏乃と破局したのも、鷺森灼に拒絶されたのも――。

 どちらも、こんな天気のときだった。




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