過去ログ - ウートガルザロキ「あなたの願い、叶えます」
1- 20
872:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/29(水) 00:07:50.82 ID:eYXHsm/SO

叶え屋、運転席。


「――いいか?1.寒いが冷房をつけた。2.私は思いっきり厚着した。3.冷たいお茶も淹れて助手席脇にセットした。」

「ありがとう。ここまでしてもらってすまないね。」

「ああ、どういたしまして。で、だ。ここまで私は健気に尽くしたんだ。貴女も着る努力をしてくれ」

「ああ、ぱんつくらいは履くに値するよ」

「…すまない言葉が足りなかったな。全・部・着・ろ。この店に入ってきた時の服装にしろと言っているんだ」


青筋をたてながらも、なんとかニッコリ笑って対応できた自分を褒めたかった。





(よかった。車を動かしても奴等はこの車に関心を持たないようだ)

念のために彼等に接触しないよう、大回りして車をトロトロ動かす。

白い怪物や蟲達はウロウロと休まず警邏を続けている。

「……それで?君のかつての根城にご案内という事だが。」

天井と木山はかつて『量産能力者《レディオノイズ》計画』が行われていた研究所に向かっていた。

天井の元私設研究所である。

天井にとっては人生のターニングポイントの象徴でもあった。

そこは、天井が最初に人生を踏み外し始めた場所であり、8月31日に一方通行と芳川桔梗に追い詰められ、敗北した場所だった。


「私にとっては忌まわしい場所だがな」

「そこに何があるんだ?」

「私の武力的手札……試作劣化超能力者がいる。」

「…ほう。君も人間を"実験動物扱い"するタイプかい?」

ジロリ。木山の目付きが鋭くなる。

「恥ずかしい話だが…かつては、な」

「今はそうではないと?」

「ああ。昔の話だよ。今は反省している」


(…必死だったんだ。心的余裕が、無さすぎた。
 ……はっきり言って、妹達《シスターズ》を『借金を返すための手段』としてしか見てなかった。)


口には、出さなかったが。





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/617.22 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice