140: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:16:31.38 ID:199Q0AEFo
「お医者……さん?」
――いや、俺は医者じゃなくてただのエンジニアなんだが……まぁいい、お前の名は?
私の名前……
141: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:17:45.98 ID:199Q0AEFo
ふぅ、まるで生まれたての仔鹿みたい。
苦笑しつつ、その人に促されて、いくつものケーブルが出ている、大きな機械の前まで連れてこられた。
若い方の人は、その機械から出ているケーブルを、首の後ろに挿している。
142: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:18:23.44 ID:199Q0AEFo
その目の前の台には、ぐちゃぐちゃになった“自分の”身体が置かれていた。
「これは……私?」
一体……どういうことなの?
143: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:19:07.22 ID:199Q0AEFo
「なんで……私の目の前で……私が、死んでいるの……?」
その屍体が語りかける意味は理解できないけれど、見てはいけない物だと直感した。
144: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:19:53.38 ID:199Q0AEFo
「うッ……お、ぇっ……」
胃が激しく痙攣、収縮するが、なにも出てこない。
おかしい。
145: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:20:20.60 ID:199Q0AEFo
息が出来ない。
苦しい。
苦しい苦しい。
146: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:20:51.27 ID:199Q0AEFo
――で、加藤。ホトケから最近の情報を収集できるか?
――いえ、損傷が激しく断片すらサルベージできません
147: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:22:01.93 ID:199Q0AEFo
「――仕方ない、先日の統合バックアップから復旧するしかないか」
チーフエンジニアは、やれやれ、と頭を掻いて、若い方のエンジニア、加藤へ訊ねる。
148: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:23:30.93 ID:199Q0AEFo
井上と呼ばれたチーフは、「だろうな」と天を仰いで、ハァ、と嘆息した。
「……仕方ない、再構築は仕事分だけで進めるしかないな」
「ただ、その北条加蓮に、渋谷凛とバーへ行ったことが記録されています」
149: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:24:12.47 ID:199Q0AEFo
「たわけが、そんなこと云ってる場合か」
コツンと加藤の頭を殴って、続ける。
「次号の体齢は15だ、酒は呑めん。整合性を持たせる為に北条加蓮の方も改竄しておかねばな。渋谷凛の再構築と北条加蓮の改竄、全ての所要時間は?」
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