162: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:42:30.19 ID:199Q0AEFo
「――あらあら。うちの大事な道具を随分と可愛がってくれた人がいるようですね」
ちひろが、相変わらずの笑みを浮かべたまま云った。
「――凛ちゃんは真面目ですねえ。犯されたからと云ったって、“器―アイドル―”としての機能は別に問題ないのに」
「まあ、“器”自身に、容れ物としての自覚はないからな。アイドルたちは全て、自分は当たり前に“自分”だと認識している」
「と云うより、そう認識してくれていなければならないんですけどね」
然も当然、と云った風に発言するちひろと井上へ、加藤は苦笑気味にそう洩らした。
「――DNAから逆引き出来ます?」
ちひろの問いに、加藤は眼を瞑ってしばらくNEURONet内を走査し、
「重犯罪者リストには載っていないようです。国民基本台帳に侵入が必要ですが……」
「――勿論、照合してください。器を造るのだってタダじゃないんですから、それを割った人には、きちんと思い知らせてあげないといけません」
有無を云わさないちひろに、エンジニアたちは頷くしかなかった。
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