過去ログ - 凛「庭上のサンドリヨン」
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241: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:19:50.66 ID:9qjjXKR6o

・・・・・・

カフェテリアでサンドイッチを買った凛は、開放的なエントランスのスペースへ腰掛け、自らの携帯端末をポートに挿した。

以下略



242: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:20:41.83 ID:9qjjXKR6o
――この日本タレント銘鑑にはとてもお世話になってるのよねえ

以前ちひろが、仕事のマッチング等に欠かせない、と笑っていたことを思い出す。

ひとまず、自分の記述箇所を探してみた。
以下略



243: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:21:44.33 ID:9qjjXKR6o
その他にも、資格や特技、長所短所、好きな色、好きな食べ物、受賞、代表作品など、事細かに記載されている。

中には、この情報本当に必要なの? と思えるようなものまで。

流石、タレントの情報を完璧に網羅している銘鑑だけある。
以下略



244: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:22:48.23 ID:9qjjXKR6o
こんな“お節介さ”も、意識しなければすぐにフェイドアウトするのだが。

ふと凛は、その切れる頭に、微かに引っかかるものを感じた。

 ――そもそも渋谷凛って、50年前からいるだろう?――
以下略



245: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:23:46.32 ID:9qjjXKR6o
「……今見ているのは日本タレント銘鑑2062。……ということは、2061とか2060もあるはずだよね。どこかで読めないかな」

ざっと走査するが、銘鑑の利用案内には、大きな売りとして『当データベースは一週間ごとに更新され、常に最新の状態でご覧頂けます!』と書いてある。

思い立った次の瞬間に公式からNOを示され、凛はがっくりと肩を落とした。
以下略



246: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:24:40.97 ID:9qjjXKR6o
「ま、そりゃそうだよね……」

嘆息して、サンドイッチの最後の一欠片を口へ放り込む。

すると、思わぬセクションを見つけて、危うく喉を詰まらせそうになった。
以下略



247: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:25:43.23 ID:9qjjXKR6o

「あれー? 凛、ここでお昼食べてるの?」

凛は、自らを呼ぶ声で我に返った。

以下略



248: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:27:40.32 ID:9qjjXKR6o
ちょうどいいタイミングだと思い、凛は気になっていることを解消しておこうと、訊ねた。

「ねえ加蓮。最近うちにお酒を持って来た? カルバドスなんだけど」

「え、凛の家に? カルバドスを? 持って行くわけないじゃん。そもそも、凛のとこへ遊びに行ったのって、もうだいぶ前だよ? なんで?」
以下略



249: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:29:21.16 ID:9qjjXKR6o
しかし凛は、両方のこめかみに人差し指を当て、悶々とした表情を浮かべる。

「うーん、そうなんだけど、一週間分くらいの仕事時以外の記憶が、何故か全くないんだよ。今朝も、そのせいか出勤途中に妙なことが起きた」

加蓮はその言葉に、眉間にやや皺を寄せて凛の顔を覘き込んだ。
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250: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:31:33.06 ID:9qjjXKR6o
加蓮は、うーん……と唸って腕を組み、眼を閉じて思考に耽る。

「どーにも、凛が嘘を云っているようには感じられないしなあ」

「うん、私も同じように、加蓮が嘘を云っているとは思えないんだよね。だからこそ不気味で……」
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