6: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/11/01(金) 23:31:09.42 ID:Q7052WfG0
彼女は売れていない。事務所の規模も段違い。それでも、見る度に楽しそうに活動している。
自分たちはどうだ。
美希は睡眠時間を削って、ドラマの台本に毎日目を通している。
7: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/11/01(金) 23:31:38.72 ID:Q7052WfG0
「なんともないよ」と、笑ってみせる。
「……嘘はよくありません。心配をかけるような嘘であれば、余計にです」
8: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/11/01(金) 23:32:17.51 ID:Q7052WfG0
ただ、手を握る力が、少しだけ強まった。
「3人で、アイドルアルティメイトに出るために頑張ったよね」
9: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/11/01(金) 23:33:03.63 ID:Q7052WfG0
「……わたくしには、何故黒井殿が美希一人で出場するように言ったかは分かりません」
「……うん」
10: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/11/01(金) 23:33:40.98 ID:Q7052WfG0
「……どうでしょうか」
貴音が俯いて、そしてすぐに顔を上げた。
11: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/11/01(金) 23:34:20.77 ID:Q7052WfG0
美希を応援することで、フェアリーが出場する夢を諦められるのなら。
貴音はどうして、
「……どうして……涙が、止まらないのでしょう……」
12: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/11/01(金) 23:35:01.57 ID:Q7052WfG0
でも。
「自分、すっごく出たかった」
13: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/11/01(金) 23:36:00.43 ID:Q7052WfG0
風が冷たい。
澄んでいる空は、とても高い位置にあるように見える。
「……わたくしは、美希を恨みたくなどありません」
14: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/11/01(金) 23:36:48.35 ID:Q7052WfG0
「……響」
「うん」
15: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/11/01(金) 23:37:35.86 ID:Q7052WfG0
「…………寒いね」
「……ええ、寒いですね」
16: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/11/01(金) 23:38:06.28 ID:Q7052WfG0
「今年の冬はさ、美希と貴音と自分で、鍋パーティーでもやろうよ」
「ふふっ……良いですね」
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