過去ログ - 八幡「修学旅行から帰ってきたら……」
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27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/11/03(日) 13:18:10.40 ID:9rH66bN8o


「あれから考えてみたの。なぜうまく説明できなかったのかを……」

「……」

「その……、そうしているうちに気付いたの──」

「あなたのことが好き……『だった』ということに……」

 一筋の風が吹き抜けた。
 冬の訪れが近いことを知らせる冷たい風だった。

「話しておきたいことはそれだけよ。……さようなら、比企谷くん」

 雪ノ下は右手で前髪を払うと、キャリーバッグの柄を掴み、くるりと向きを変えた。
 そして、そのまま振り返ることなく去っていった。

 俺はあまりにも突然の出来事に思考が停止した。
 「だった」の部分を強調し、過去形での告白をした瞬間の雪ノ下の目はどこか寒々としたものだった。
 その目に射すくめられてしまった俺は声を発するどころか、身動き一つとることさえできなかった。
 まるで、ギリシャ神話に出てくるメデューサの話のように。

 遠ざかる雪ノ下に何も反応できないまま、俺はベンチの上で固まってしまった。



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