過去ログ - サスケ「何で俺を連れ戻しやがった……!」
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10:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/11/05(火) 18:19:40.72 ID:LFgMt1P+0
もうすっかり傷もふさがった俺は、カカシの病室の前で立ち尽くしていた。なんと言って謝ればいいのか分からない。どんな顔をすればいいのかさえ分からなかった。

それほど経たない内に、聞き慣れた声が室内から響く。

「そんな所で何やってんだ?」

カカシが俺の気配に気が付かない筈がない。まるで声をかけてもらうのを待っていたようで、どこまで甘えれば気が済むんだと自分が嫌になった。これ以上気を使わせる訳にはいかず、俺は扉を開ける。こんなクソみたいな俺を見て、カカシは喜んだ。

「やー、サスケじゃない。お前が来てく れるとは思わなかったよ」

「……謝りに来たんだ」

「えっ、何で?」

きっと分かっていてとぼけているのだろう。つまり、謝罪を望んではいないのだ。何て言ったらいいか頭を悩ませていた俺は、目線にまで気を配っていなかった。無意識に左手に集中した視線を受け、カカシは苦笑いをした。

「……調子が良いときは歩けたりもするん だけどね」

ベッドに沈みこんだ左手には本が握られていたが、持ち上げる事は出来ないらしく微かに痙攣している。なんて不躾な事をしてしまったんだろう。俺がここに居てもカカシを苦しめるだけなんじゃないのだろうか。

「すまない……」

「一体どうしたのよ。謝られるような事はされてないけど」

「……アンタがこうなったのは全て俺のせいだ……」

「お前が自分を責める必要なんてどこにもないよ。俺が勝手に自分の出来ること以上を望んで、失敗しただけなんだから。お前に里に居て欲しいっていうの だって、俺のエゴだしね」

「……写輪眼の事も、俺にとやかく言う権 利なんて無かった」

「うちはの血継限界なんだから怒る権利はあるでしょ。俺はうちはの人間を殺してこの目を奪ったんだよ。言われて当然だ」

「うちはオビトについては他の上忍から聞いた」

カカシは少し驚いた顔をして、目を虚ろに開き黙りこんだ。やっぱり俺は傷つけに来ただけなのだろうか。でも、この言葉だけは言わなければならない。

「俺はアンタが殺したとは思わない。写輪眼を奪ったなんてこれっぽっちも思わない。その目はアンタの物で当然だ」

疲れきった両目を無理に歪め、明らかな作り笑いで言った。

「ありがとね、サスケ。少し心が軽くなったよ」


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