過去ログ - サスケ「何で俺を連れ戻しやがった……!」
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オータ
◆aTPuZgTcsQ
[saga]
2013/11/05(火) 18:26:33.60 ID:LFgMt1P+0
俺達は手がかりを求め、ガイの家に来ていた。オビトの話を教えてくれた上忍というのもガイだ。そして、カカシの行方に関して快く話してくれた内容も、オビトの事だった。
今日はそのうちはオビトの命日だったらしい。毎年欠かさず慰霊碑に向かっていたから、今日も慰霊碑の前にいるだろうと教えてくれた。しかし、そっとしておいてやれと追うのはやんわり止められた。
それでも俺達はガイの忠告を無視し、慰霊碑へと向かった。嫌な胸騒ぎが収まらなかったのだ。この演習場を見ると最初の演習を思い出す。仲間を大切にしない奴はクズだと、カカシはどんな思いで言ったのだろう。
地面に突き刺さった丸太を目印に、俺達は全速力で慰霊碑を目指した。木の陰に隠れるようにひっそりと、でも確かに慰霊碑はそこにあった。カカシもそこに立っていた。
クナイすら手に入らなかったのだろうか。ハサミを首に当てているカカシに俺達は飛びかかった。体重を支えきれず、そのままの勢いで地面に倒れ込むカカシの手から、ハサミをもぎ取った。
「何やってんだよ、カカシ先生!」
ナルトはカカシの右目を真っ直ぐに見据え、怒鳴っていた。何の反応も示さないカカシの頬をサクラが泣きながら叩く。俺は左の瞼にうっすら残る血の跡が気になって仕方がなかった。カカシは濁った右目を宙に向けるだけで、喋ろうともしない。
まるで死人のような目に、俺達は戸惑うしかなかった。ふと、慰霊碑の横に置かれた瓶の存在に気づく。透明な液体に満たされた瓶の中で、写輪眼が浮いていた。
「これはどういう事だ……カカシ!」
俺の手の中で泳ぐ眼球を目にして、ナルトとサクラは凍りついた。安定しない目線を俺に向け、やっとカカシは口を開 く。
「俺はもう、オビトの代わりに、見てやれないから。とりあえず、お前らに届けて貰おうかって、思ったのよ。ほら、ただ死んだだけじゃさ、誰の手に渡るかも、分からないでしょ。だから、ガイに手紙が届くようにして、最初に見つけて貰おうと思って」
どこか浮いた声からは、感情を一切感じなかった。磨りガラスのような虚ろな目は、また視線を宙に漂わせ始める。俺達は一言も発する事が出来なかった。
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