過去ログ - 【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第20位【アラフォーマーズ】
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840: ◆rVyvhOy5r192[saga]
2013/11/12(火) 23:21:57.89 ID:RpnATY8Io


 とりあえず、バイト兼用心棒として使ってやってくれ――。


 赤土晴絵からは、そう言われた。

 勿論、それだけではないとは思っている。

 彼女がそう言い出すなら、きっと相応の理由がある筈だ――。

 彼に何があったのか、気にならなくはない。

 それは確かであった。


 ……まあ、そんなことはともかく。


 何があったとしても、夕飯の買い物ぐらい代わってくれてもいいんじゃないか。

 吉野は坂も多い。

 二人分の食材を抱えて歩くのは、矮小な体躯の灼には一苦労だった。

 食べたいと注文をつけてきたときは、こいつにもそんな珍しいことがあるものだなんて思ったけど、

 気を利かせて買い物を申し出ないあたり、やっぱり須賀京太郎は須賀京太郎だった。



「……あ、お疲れっす。じゃあ俺、戻りますんで」


 灼の顔を見るなり、そう言ってカウンターから顔を上げる京太郎。

 ちょっと待て。

 それ以前に何か、あるだろう。帰ってきたんだから、言うことが。

 そもそも、こちとら買い物袋を両手に持っているのだ。

 だから――。


「あ、灼さん」

「何?」

「俺は別にいーっすけど、裏口からの方がいいんじゃないっすか」


 変な風に生活感を匂わすのは、客商売としてどうなんですか――。

 なんて意図を含めた言葉だったので、脇腹に一撃お見舞いした。

 痛いなんて言いながらも、まるで堪えた様子はない。


 本当に、腹立たしい男だ。



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