過去ログ - 【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第20位【アラフォーマーズ】
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◆rVyvhOy5r192
[saga]
2013/11/13(水) 22:20:48.95 ID:8eFTtM8po
「……そうだ」
「何ですか?」
「名前……」
家族の一員になるなら、ちゃんとした名前が必要であろう。
これから長らく一緒に暮らしていくというのに、あれだのそれだのと呼ぶわけにはいかないし、
まさかなんの捻りもなく、猫だとか、タマなどと呼ぶわけにもいかない。強盗や空き巣は論外。
しかし、そうとなったらなったで、思い浮かばない。
ふむと、猫の頭に顎を乗せてみる。
お前はどんな名前がいい――?
言葉が通じない分、肌を合わせてみれば気持ちは伝わるかもしれない。
なんて思ってみたものの、「に゛ぇっ」っと、蝦蟇蛙を潰したような悲鳴が変えるのみ。
はてさて、「にえ」という名前がいいのか。
それとも、向こうからの返答も気持ちで伝わってきやしないかと考えるものの、
自らの額に乗った異物に対して、鬱陶しそうに耳ではたきを上げるだけである。
「カ……」
「なに?」
思案げな京太郎が小さく呟いたのを、灼は聞き逃さなかった。
というか、月の明かりと虫の音以外が呼吸していないこんな夜では、
いくら多少距離を取っているとは言っても、人の声を聞き逃す筈もない。
だからこそ、向こうに居ながらも店の物音が聞こえたのだ。
まさか、聞かれているとは思っていなかったのであろう。
京太郎が、ぎょっとしてこちらを見た。
「いや、今のは……」
「恥ずかしがらなくてもいいから、とりあえず言って……」
「本当に……」
「笑わないから、ほら」
そう促しても、京太郎は煮え切らない様子である。
猫と共に、彼を見やる。
「カ」と中途半端なところで区切られた猫も、早くしろと言いたげだった。
やがて、観念したのであろう。
京太郎が、訥々と口を開いてきた。
「カ……、カ……カブトとか。カザリとか」
「センスな……」
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