過去ログ - 佐久間まゆ「マフラーのプロデューサーさん」
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1: ◆yIMyWm13ls[saga]
2013/11/07(木) 00:45:54.79 ID:FpHAD01yo
一番古い記憶。
まだ顔立ちに子供っぽさが残る女の子に抱きあげられていた記憶。

その頃の俺は四足歩行でもふもふした耳と、そして……


尻尾があった。



そう、前世の俺は飼い犬だったのだ。

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2: ◆yIMyWm13ls[saga]
2013/11/07(木) 00:46:47.24 ID:FpHAD01yo
その薄ぼんやりとした記憶は年月を重ねていくごとに少しずつ、少しずつハッキリしていった。
もしも子供の頃からその記憶が全開だったなら俺は相当の変態さんになっていただろう。

その点だけは本当に、心から助かったと思っている。

以下略


3: ◆yIMyWm13ls[saga]
2013/11/07(木) 00:48:19.11 ID:FpHAD01yo
最後に見たのは結婚し、大人びた表情をした女の子だった。
俺の頭を知らない男の子がポムポムと撫で回していたのは覚えている。
もしかしたら男の子は彼女の子供だったのかもしれない。

おやすみなさい。と彼女が言ったのを最後に記憶は途切れている。
以下略


4: ◆yIMyWm13ls[saga]
2013/11/07(木) 00:48:53.19 ID:FpHAD01yo
もっとも、今となっては彼女を探す気も無い。

『貴方の元飼い犬です！人間に転生して会いに来ました！』

大の男が出会い頭にこの台詞。
以下略


5: ◆yIMyWm13ls[saga]
2013/11/07(木) 00:49:50.17 ID:FpHAD01yo
そんなことをぼんやりと思い出しながらマグカップの中身に口を付ける。
苦味が口の中に広がっていく。

「…最初から砂糖入れとけばよかったな」

以下略


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