過去ログ - ブギーポップ・クロス Part2 〜神様のクラクション〜
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37: ◆qXEKQweJllf.[saga]
2013/12/03(火) 01:17:55.87 ID:5P51h/oho
〜〜〜

「人は……何故……夢を見るのか……」

買い物袋を両手に下げた男子高校生と、その横で笑顔を浮かべる女子高校生を見下ろす影があった。

「それは……希望が……あるからだ。
神も……希望を見つけて……夢を……見ていたのだろう……」

その影は、まるでそこには存在していないかのような、まるで空気のような、そんな存在であった。

「……運命を……紡ぐ事は出来ない……ただ……繋ぐだけだ。
やっと……お前たちに近づけた……」

鬼太郎のような髪型のその男。

酸素という名前をもつその男。

統和機構の中枢にて、因果律の支配者。

「世界の異常……見過ごせない……異常……」

視線を男女から、自身の前方へと滑らす。

「……やはり……存在して……いたか……世界の敵を……排除する者よ……」

「自動的な存在なものでね……。
望もうが望ままいが……世界に危機が訪れたら、浮かんで来ちまうのさ」

世界の敵の敵と統和機構の中枢が視線を合わせた。

両者ともに、敵意も殺意も悪意もない。

ただ、純粋に互いの姿を見ているだけであった。

「君には……運命というものが……ないのか……」

「世界の敵、それを倒す。
僕にあるのはそんな運命だけだ。
もしも運命とやらが糸のようなものなら……僕と世界の敵は赤い糸で繋がってるだろうね」

「……あまり……笑えない……」

空気に溶けるように、酸素の男――オキシジェン――は消えた。

「……どうやら僕にはユーモアとかそういった素質は無いらしいね」

静かに消えたオキシジェンとは対照的に、世界の敵の敵――ブギーポップ――は口笛を吹きながら影に溶けるように消えた。


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