過去ログ - 野原しんのすけ(15)「ねえヘタレのオジさん、言葉のままに歪めてみれば〜?」
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177:>>1 ◆aMcAOX32KD1b[saga ]
2013/11/28(木) 23:12:41.31 ID:jTVC5SpB0
三沢塾のロビーのエレベーター乗口近く、そこでステイルとしんのすけの二人は足を止めていた。
二人を見つけた上条と食蜂の二人もそこに駆け寄る。
が、しんのすけが二人を手で制した。

「二人に確認したいんだけど、『大怪我をした今にも死にそうな人』を見ても取り乱さずにいられる?」

その言葉を聞くなり上条はステイルを押しのけ、彼が背に隠していたモノを見てしまう。

「……っ!?」

血だまりに中に、
ひしゃげた鎧一式が、
中身入りでそこに置かれていた。

「ローマ正教は既に動いていたみたいだね。もっとも、失敗したようだけど」

「うぐっ」

錆のようなにおいが鼻につく。
上条の顔は青ざめ、何事かと食蜂も近づき事態に気づく。

「おい!しんのすけ!!お前のトランプなら」

「落ち着いて上条君、ちゃんと治療するから」

「普通は助からないと思うけどね、『原典級霊装使い』なんて規格外が居合わせるなんて、彼は運が良いのか悪いのか」

「な、なんで生命力ギリギリの騎士が倒れてるのよぉ?」

「じゃ、本人の口から直接きくとしますか。『スゲーナスゴイデス』!」

しんのすけが呪文を唱えるが、騎士は倒れたままだ。

「お、俺の右手のせいかっ!?」

「違うけど、念のため少し離れてて。今から『なおす』から」

しんのすけの両手には白い手袋がはめられていた。

「うん?それも霊装なのかい?」

「うん、こういう効果があるゾ」

そう言ってしんのすけが両の手で鎧に触れると、騎士の全身が一瞬光りその後にはどこにも曲がっていた跡すら無い、まるで新品の鎧に変わっていた。
どうやら中身も同様らしく、騎士が弱々しくも声を出した。

「これは……奇跡か?」

「正直に言えば、僕も信じられない気持ちだよ。なんせ折れた肋骨が肺を突き破り、肝臓は潰れ、手足の大動脈は切れていたんだから」

「えーと『パーシバル』さん?」

しんのすけが騎士の右腕に刻まれた『Parsifal』の文字を見て話しかける。

「いや私は『パルツィバル』と言う。本名では無く役のような物だが」

「パルツィバルさんはどうして室内で交通事故にでもあったみたいな事になってたの?」

「ああ、まさに車に撥ねられたかのようだった。ここの学生たちは私に全く気づいていないようで、これはどうした事かと声をかけようとしたのだが、小走りの学生とぶつかり弾き飛ばされたのだ」



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