過去ログ - 野原しんのすけ(15)「ねえヘタレのオジさん、言葉のままに歪めてみれば〜?」
1- 20
809:>>1 ◆aMcAOX32KD1b[saga]
2014/06/01(日) 21:06:11.52 ID:6Fbcv7/O0

「……っ!?」

背に壁か何かが当たり、自分が退いていた事に気づく。

「……ふふ、たかが骨格標本相手に恐怖を感じるなど、元は禁書目録管理用術式が生んだ
疑似人格が、随分と人間らしくなったものですね」

恐怖を自覚した事で、逆にそれが滑稽だと笑い飛ばせた。
そうだ、何を恐れる事がある物か。
相手はたかが骨格標本ではないか。
イギリス清教のトップ最大主教が施した術式に、原典級霊装使いが肉体を与えた。
魔術人形として最高位とも言える我が身に比すれば、眼の前の骨組達の何と粗雑な事か。

チラリと背後に目をやる、どうやら壁の様な物は自販機であったらしい。

「どうやら、移動しながらの攻防は功を奏したようですね」

彼女がそうつぶやいた時、一体の蒔かれし者が今一度襲いかかった。
ヨハネはその敵を、その肘と手首の間を掴み取り、すれ違いざまに身体ごとグルリと半回転させ、自販機の側面に叩きつけた。
続けて頭蓋よ砕けろと言わんばかりに、勢い良く身体をもう一回転させて回し蹴りを放つ。
しかしその脚はかわされ、自販機のみがズドンと快音を鳴らした。
かろうじて頭部の粉砕をのがれた蒔かれし者が、ショルダータックルの様な反撃をしてきたが、それは避けられぬ程の速度は持って無かった。

「意外と反応速度は高いようですね」

攻撃を避けた骨に、また自身の右足の甲の痛みに顔をしかめながらも、彼女は宣言する。
        チェックメイト
「なお、これにて『詰み』と思われます」

彼女の足元には一本の飲料缶が転がっていた。
先程の蹴撃の際、自販機から吐き出された物だ。

今の状況はヨハネの前に四体の蒔かれし者が一ヶ所に集まっている。
その中心へと、足元の缶を蹴り上げ、走る。
放物線を描き最前の一体の肋骨に向かう飲料缶を蒔かれし者の手がキャッチした直後
刃と化した浴衣の袖が、飲料缶を切り裂いた。

真っ二つに分かれた缶にはこう書かれていた


『ヤシの実サイダー』


中身の液体が爆ぜる様に周囲に飛び散り、濡らす。
すると蒔かれし者達が解けるように崩れ落ちていった。

その様子を眺めながらヨハネはつぶやく。
 ・・・・
「この場所に在る自販機は、金銭がなくても飲物が手に入ると言う事を覚えていた完全記憶能力の勝利ですね。なお、炭酸飲料が一発ででたのは幸運でしたが……さて」
             ユビワ
白い水溜りの中から目的の『霊装』を拾い上げ確認する。

「ふむ、特に罠の類は無いと思われます」

そう言うと、彼女は指輪を石畳の地面に落とし踏み潰した。

そしてこちらは16体もの人骨で構築された巨人、『がしゃどくろ』とそれを操るナタリーを相手にする上条達。

「くそっ!?パルツィバ―――ル!!」

上条が叫ぶ先には、胸部をへこませた西洋甲冑が横たわっていた。

「まず一人、アンタ達はあと何分持つかしら?」

ストローを愛おしげに舐め上げたナタリーが言った。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
986Res/386.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice