過去ログ - 野原しんのすけ(15)「ねえヘタレのオジさん、言葉のままに歪めてみれば〜?」
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904:>>1 ◆aMcAOX32KD1b[saga]
2014/07/28(月) 23:15:56.21 ID:M8whJ7at0

「釈然、その『速度』こそが貴様の二枚目の切り札か」

自分はあの少年が右手に宿した『原石』により金縛り解除されるであろう事は予想していた。
それ故に『黄金錬成』で直接骨を砕くのではなく魔弾の必中を念じたのだ。
しかし実際には金縛りの効果が切れるとほぼ同時に反撃を決めたではないか。
しかも粉砕骨折したはずの、その両腕でだ。
その瞬間は見えなかったが、上条当麻が飛んで行った直後、ナタリーは両手を前に突き出して立っていた。
そして今彼女は動作を確認する様にすっかり回復したらしき腕を動かしている。
自分の眼には写らぬ程の『速さ』そしてダメージを受けた直後に回復しているという再生の『早さ』恐らくこれが奴の切り札なのだろう。
と、アウレオルスは推測する。

「必然、此方も油断はできぬな。『死滅せよ四肢の筋細胞』!!」

再び『黄金錬成』を発動する。
しかしナタリーはわずかの間グラついただけで、直ぐに何も無かったかのように歩き出した。

「有り得ん!!両の手足が死人の物になったようなモノなのだぞ!?『回復』では……っ!?」

そこまで言って、ある可能性に気づく。
ちょうどインデックスとヨハネもソレに気がついたようだ。

「ひょっとしてこれは、もしかすると治癒や回復の魔術じゃ無いのかも!?」

「ええ、どうやら『蘇生術』のようです。なお、先程の呪文から『北欧神話』由来の魔術だと思われます」

良とクリアが双子に訊ねる。

「「何か解ったの!?」」

「はい、恐らく『雷神』と『槌』はそれぞれ「トール」と『ミョルニル』の事……」

「祝福される山羊の亡骸は『タングリスニとタングニョースト』の事なのかも」

二人が説明するには、北欧神話において雷神トールが旅先で泊めてくれた家族に山羊鍋を振舞った。
「決して骨は傷つけるな」
と、それだけ注意して。
そして翌日、その骨に相棒たる槌ミョルニルを振れば山羊はたちまち生き返ったと言う。

「なお、山羊は二頭おり、この内一頭は腿骨が割られていたため脚が曲がっていたそうですが」

「今は関係無いんだよ。大事なのはこの術が『骨さえ無事なら肉片の一かけらも残って無くても甦る』術って事」

良がそこで疑問を挿む。

「えっでも骨が無事じゃ無きゃ回復に支障がでるんだよね!?」

先程アウレオルスはナタリーの両腕を砕いている。
しかしナタリーはその腕も含め問題無く回復していた。

「それは多分、あの『蒔かれし者』のせいかも」

インデックスが出入り口を塞ぐ骨格標本達を指さし言った。

「うん、なるほどね。そう言う事か」

ステイルはそれで理解したが、クリア達は説明を続けてくれと双子に目でうったえる。

「つまり、ナタリーは自分自身を『蒔かれし者』の一体に見立てているのです」

ヨハネが言うには、それにより『折れようが砕けようが骨だけなら元に戻る』効果がでているのだそうだ。
『骨さえ無事なら肉片の一かけらも残って無くても甦る』そして『折れようが砕けようが骨だけなら元に戻る』
この二つの組み合わせは此方にとって最悪と言えた。

「そんな。じゃあどうすれば?」

姫神が訊ねる。

「当然、やるべき事は先程と同じだ」


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