2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/10(日) 23:20:09.24 ID:gVo5Vc180
駅のホームで待っていた、余裕のないサラリーマンに道をあけてやる。
そいつは子豚の腹に一度当たって、跳ね返りながらもバックを盾にまた奥へと邁進していった。
続いて雪崩のように人・人・人。通勤ラッシュ。
最後尾に同じ高校の制服を見かけた。
肩より少し短いショートカットのクラスメイト。
名前は佐藤。下の名前は知らない。
話したこともない。
まず、グループが違う。
大まかに言えば、私は体育会系。佐藤はどちらかというとおっとり文化系。
話もどうせ合わないから、話しかけたことはない。
いや、嘘だ。後ろの席だから、プリントを渡す時とかに、何度か声はかけた。
線の細いか弱い印象。
たぶん、私が触ったら折れる。たぶん。
そんなことを考えていたら、隣から声がした。
「おはよう」
これまた、蚊の鳴くような声だった。
聞こえないふりをして遊んでやっても良かったが、どうも佐藤は息を切らしているようだった。
「おはよう」
オウム返し。佐藤は透けるような白い頬を赤くさせて、肩で息をしていた。
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