3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/10(日) 23:26:16.71 ID:gVo5Vc180
佐藤は扉の前に立っていた。そして、キョロキョロと辺りを見回す。
「何してんの?」
「えっと、どこ持とうかと思って」
確かに、佐藤の背ではつり革を持つことは物理的に不可能だった。
そして、移動しようにも子豚が邪魔している。
仕方ない。
「ちょっとおじさん」
「ふー?」
日本語で喋れ。汗を撒き散らしそうな勢いで子豚がこちらを振り返る。
「この子そこに移動させてあげてよ」
「ふー!」
いや、たぶん日本語を喋っているのだろうけど、私にはふごふごという雑音のようなものにしか聞こえなかった。
それでも、OKサインを手で出してくれたので、意思が通じたことだけは理解できた。
子豚が左脇のOLに怪訝な顔をされながらも、横にずれる。
意外といいやつ。
「ありがとう」
人並みに飲まれながら、もはや姿も見えない場所から佐藤が言った。
「どーも」
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