955:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/30(土) 23:49:47.68 ID:lSucPX9Uo
普段小説形式で書いているが、SS速報だと台本の方が需要ありそうだから台本形式に変換したいんだけど、どうすればいいかな?
仲間の黒騎士に裏切られて恋人の女魔術師が死んだと思った勇者が、単身魔王城に攻め込む場面。
原文
「これ以上は、隠れきれないか」
月夜の城内を勇者は走り出した。ただひたすら、最短距離で魔王のもとに向かっている。進路上に魔物がいたが、勇者の剣が一閃して倒れた。
「ゆ、勇者だ! 魔王様の部屋にやってはならん、何としてでも止めろ!」
突然の襲来に呆けていた魔物の一人がわれに返ったように叫んだ。その声で、魔物たちは剣を抜き、城内は一瞬にして戦場へと変わった。
勇敢に切りかかっていく者がいたが、勇者の剣が一閃すると、あっけなく切り倒された。
「死んだ女魔術師のためにも、これで終わらせる」
勇者はぽつりとつぶやき、少しずつ足を前に進めていく。目の前に影が見えると、無意識に剣を振るった。
息が切れ、鎧は魔物と自分の血で真っ赤に染まり、体中痛んだ。もう長くないな、と思ったが、あとひと息だ。魔王の間が目前にある。朦朧とした視界に、黒い影が立ちはだかった。
「どけ。どかねば切る」
勇者は威嚇した。するとその人影が抑揚のない声で言った。
「俺が分かるか? 裏切り者の黒騎士だ」
勇者は目を見張り、血で汚れた顔を手でぬぐった。
「一人でここまで来たのは褒めてやる。だがもう無駄だ、剣を捨てろ勇者」
勇者は首を横に振る。そして、斜に構える。
「分かった」
黒騎士が、剣を抜くのが見えた。勇者は半歩足を進める。不意に黒い影が羽ばたくように前に迫った。その影に向かい剣を打ち下ろし、返す刀で下段から切り上げるが手ごたえがない。
「ん」
一手遅れたと思った。否。黒騎士はあの場所から一歩も動いていない、と思ったとき、勇者は背中に重い衝撃をおぼえた。視界が闇に閉ざされる間際、背後から女の声が聞こえた。
「馬鹿な人」
月の光だけが勇者を優しく包んでいた。
爽やかな絶望感を出したくて書いているんだけど、台本形式だと細かな風味が消えそうだし、でも小説形式だと重くて読んでもらえなさそうだしでどないしよう……
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