過去ログ - ウサミ「狛枝くん、みなさんと仲良くしてくだちゃい」狛枝「えっ」 2周目
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922:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/27(水) 07:46:27.59 ID:yKB+E4So0
紫垣靖隆(男子八番)はゆっくりと頭を上げた。
そこで、自分が机に身を預けて眠っていたことに気付き、辺りを見回してそこが教室のような場所だが自分の知る教室ではなく、その見知らぬ部屋でクラスメイトたちが普段の席順で並んでいることに気付いた。
ただ、前には黒板があることから、どこかの教室だということはわかった。

何だ、つーかどこだこれ…

靖隆は八方に立たせた黒髪を手櫛で整えながら、立ち上がった。
この並びは教室通り、右斜め前には靖隆が担ぎ上げている我らがリーダー八尋幸太郎(男子十八番)、前には部活仲間の林一紀(男子十五番)、左にはグループ1手の早い政井威光(男子十六番)、右斜め後ろには幸太郎や靖隆には従順な池埜多丞(男子二番)という、仲間に囲まれた配置。
そして右の最後列には――

「妃…」

靖隆は最後列で眠る三枝妃(女子六番)の横に立った。
この世界中の女性の中で唯一、ファーストネームで呼んでいる、幼馴染。
一見派手で軽そうな容姿をしているが、正義感の塊のような女で、自分が正しいと思えば何でもはっきりと言い切る、靖隆にとっては親よりも頭の上がらない存在。
そして、誰よりも特別な存在。

「妃、起きろよ、きさ――」

妃の肩を揺すると、肩甲骨辺りまである金色の後ろ髪が、するりと背中を滑って耳の横へ落ちた。
姿を見せた白いうなじ――その下の方に、何か、銀色の物があった。

こんなもの…してたか……?

「う……ん……
 ……あれ…靖隆……?」

妃が寝ぼけた声を出しながら、身を起こした。
上から2つボタンを外しているブラウスの襟から、首に巻きついた銀色の物体の前部を確認することができた。
丁度正面の部分には、小さな赤いライトが点いている。
どうやら、ただの飾りではなく、電気の通った機械のようだ。

「妃、その、首の…何だ?」

「首ィ…?」

妃は赤い爪の光る指でそっと触れて、眉間に皺を寄せた。
そして、靖隆を見上げ、指差した。

「って、アンタもしてるよ、なんで…?」

そこまで言われて、靖隆は初めて自分の首に手をやった。
詰襟のホックを止めず、さらに指定のブラウスすら着ないで濃いベージュの胸元の広く開いたシャツを着ている靖隆の首元には、しっかりと何かが巻きついており、冷たい金属の感触があった。

「なんでって……知らねぇ…
 ただ、これ、俺らだけじゃない…のか…?」

靖隆は、自分から見て妃と反対側にいる相模夕姫(女子七番)や、その前にいる藤原奈央(女子十四番)、多丞の前で眠っている二階堂悠(女子十三番)の首にも同じ物が巻き付いているのを見た。


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