116:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2013/11/16(土) 09:51:39.33 ID:f0aqrkApo
風など通り抜けていくはずもないのに
背筋を何かが撫でていったような不快感
血の気が引いていくというのは、こういうことなのかもしれない。
そんな風に嫌に冷静になる私に対して
美希はもう、怒りすら、感じないようだった
「バカだよ。千早さん……大馬鹿だよ」
「……………………」
「千早さんがどれだけあの人を好きでも、愛しても。もう、報われない」
美希は少しずつ歩き
立ち尽くす私の隣で立ち止まり
「未来永劫絶対に。昨日までの誰もが好きだった春香は……いなくなっちゃんだから」
それだけを言い残して美希は部屋から出て行く
扉が開いたせいで風がすーっと入り込み
私の体を包み込むように流れて、そして。去っていく
それは今までの春香がほんの一瞬だけでも戻り、抱きしめてくれたようにも感じた
138Res/74.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。