過去ログ - とあるミサカのアルバイト
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32: ◆ep89LxT8I.[saga]
2013/12/01(日) 17:10:03.21 ID:iVPKIV6/0
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狭いエレベーターを出た黄泉川と一方通行は店の前で思わず立ち尽くす。
それとは対照的に、番外個体は躊躇なく厚いガラスの扉を押し開けた。

「ただいまー」

店内は案外広く清潔だ。
壁にはルールや大会結果などがよくレイアウトして張り出してあり、本棚には麻雀雑誌やコミックが整頓されてずらりとが並んでいる。
10数卓の席はほとんど埋まっていて、一番手前の卓の後ろについていた黄色いエプロン姿の中年の男が振り返った。

「ミサカちゃんおかえりー。あ、いらっしゃいませー」

「この人たちミサカの連れだから。飲み物はいらないよん」

そうなの?と続けながらエプロン姿の男は番外個体から買い物袋を受け取った。
黄泉川もエプロン姿の男に歩み寄ると、

「この子の保護者です。いつもお世話になっています」

「いえいえいえ、こちらこそミサカちゃんにはお世話になってます。お姉さんですか?」

「ええ、まぁ…良かったらコレ皆さんで召し上がってください」

「いやーこれはどうも、ご丁寧に…」

大人たちのやりとりを尻目に、番外個体はコートの前を緩めて、空いている卓に買い物袋から取り出した写真を広げていた。

「店長、これ明日でいい?」

そういってエプロン姿の男に話しかける。

「そうだねー。明日来たら今日の大会結果を模造紙に書いて、写真と一緒に張り出しててよ」

「はーい」

「いやーミサカちゃんが来てくれてから、大会に参加してくれる人が増えちゃって…来月から予選が必要かな?お姉さんもよかったら」

「今日は月に一回の大会イベントがあるからミサカ早出したんだ」

「へぇ、熱心に働いてるじゃん」

「ふん、まあね」

わざとらしく番外個体が張った豊かな胸には、『雀荘東北☆黄泉川☆』というネームプレートが揺れていて、思わず黄泉川は目を細めた。



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