過去ログ - 亜美「錯覚のレンアイ」
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/14(木) 19:28:41.06 ID:oOqsUv+5o
それを見つけたのは多分私だったはずだ。

どこのバカが持ってきたのか、表紙を艶めかしい表情の女性が飾っている、いわゆるエッチな本が教室にあったのだ。

私たちがもう少し純真なら、或いはもう少し真面目なら、ばっちいからと蓋をして先生に密告する選択肢もあったろう。

でも当時の……当時からと言うべきか、ませていた私たちはエッチなことが日常への反逆のような刺激的なものに見えて、こっそりとランドセルにそれを仕舞い込むと、悪者になった気分でこそこそと家へ持ち帰ったのだった。

今の私から言わせれば、それは随分と幼稚な内容だったし、直接的な描写は殆どがぼかされて分からないようにされていた。

でもあの日、部屋の隅っこに縮こまりながら顔をくっつけて読んでいた幼い二人には、びっくりするような刺激の世界だった。

「きゃー」とか「わー」とか言っていたのに、最後には口をつぐみ、ただドキドキと逸る心音を聞きながらページを捲っていた。

「す、凄いね……」

「うん……」

お互いに赤い顔をしているのは分かっていたから、本を閉じた後も気恥ずかしくて相手の顔を見れず、そんな感想をぼそぼそと零すことしか出来なかった。

そんな中で最初にバカなことを言いだしたのも私だった。

「ね、ねぇ、本当に気持ち良いのかな?」なーんて、少し期待した声で。

「ま、真美に言われても、その……分かんないよ……」

「試して、みる?」

真美はごくりと唾を飲み込み、喉の動きが妙に色っぽく映った。

上気した頬、潤む瞳、煩い心臓。髪が汗で額に貼りつき、胸が荒く上下している。

自分と同じ顔、同じ仕草、同じ表情の相手が隣に居て、顔を近付けるタイミングも同じだった。

その時の私達は幼いながらもしっかりと興奮していて、キスには頭がぼーっとしたし、見慣れているはずの裸に一層心臓はドキドキと跳ねた。

それでも、良かったのか悪かったのかはしらないが、この日のエッチとも呼べない触り合いで気持ち良くなることは互いに無かった。

真美も私も性的興奮を受け取るには体が余りに未成熟で、胸を触ってもくすぐったいばかりだったのだ。

性器を舐めようとして「おしっこ臭ーい」と文句を言った私の言葉がきっかけとなり、まるでシャボン玉の弾けるように場を包んでいた甘い雰囲気は消え去り、そこからは何時もの戯れ合いに戻ってその日は終わった。



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