過去ログ - 苗木「穴に落ちたら別世界?」舞園「たぶん違うと思います」
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7:カタツムリ ◆VVBcRnN7PuNW[saga]
2013/11/15(金) 00:33:12.11 ID:k5ZdhmIm0
◆◆◆

 しかし、そのやり取りをしているうちに、苗木は急に眠たくなった。

(……え? あれ? どういうこと?)

 あまりにも唐突だった。
 苗木の目の前がゆがむ。
 そして、気が付いたら、真っ暗な世界にいた。

(……落ちてる?)

 苗木は頭から落下していた。
 空気の渦の中を下へ下へと突き進んでいた。
 しかし、不思議と危機感が沸かない。
 このままだと、いずれ地面に叩きつけられるというのに、苗木は慌てることがなかった。
 実感がなかったのだ。
 まるで夢の中にいるような感覚だったのである。
 そして、実際に現実では起こりえないことが起きた。

(……何?)

 何の前触れもなく、苗木の落下速度が下がっていく。
 苗木はゆっくりと見えない床に着地した。
 羽毛ベッドのように床は柔らかく、苗木の身体に痛みはない。
 周囲には16個の扉があった。
 右に7個、左に7個、真正面に1つ。真後ろに1つだ。
 真円を描くようにして、扉は並んでいた。

(……ボクの後ろにも扉があるな。さっきまではなかったのに。しかもひとつだけ点滅してるし)

 苗木の後ろにある扉だけが光ったり暗くなったりを繰り返している。
 他の扉にはそのようなことはなかった。

(いや……ひとつだけ様子が違うものがあるな)

 ぼんやりと光り続ける扉があった。
 苗木の位置からわ反時計回りに3つ目の扉だ。
 その扉だけは、まるで誰かを待つように明るいオレンジ色の光を放っている。

(他に手がかりもなさそうだし……)

 苗木はゆっくりと近づき、その扉のノブに手をかけた。
 そして、開く。



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