過去ログ - 苗木「穴に落ちたら別世界?」舞園「たぶん違うと思います」
1- 20
8:カタツムリ ◆VVBcRnN7PuNW[saga]
2013/11/15(金) 00:36:16.62 ID:k5ZdhmIm0
◆◆◆

「なんだ……ここ…………」

 おとぎ話の世界というのが一番近かった。

「けど、メルヘンだとしてもおかしいような……」

 ただし、それはあくまでも雰囲気だけだ。
 生活感のない街並みに遠近感がおかしくなりそうな巨大な建造物。
 それだけ見ると、異世界に紛れ込んだような気になる。

 しかし、メルヘンというよりもシュールという方が苗木の感想としては近かった。
 街灯の代わりに巨大なバットがいくつも立ち並び、町のあちこちで老若男女が一心不乱にキャッチボールをしている。
 ランニングをする者もいれば、投球練習をする者もいる。
 一列になって、バットで素振りをする集団もいた。
 おおまかな街並み自体は現代日本――しかもオシャレな店が立ち並ぶ若者の街といった感じ――を思わせるものであり、
 そのシュールさは極まっている。
 テラスのある喫茶店で、何人かの男女がコーヒーや紅茶の代わりにスポーツ飲料を飲んでいた。
 まるで野球を中心に文明が発達したら、こんな感じになるのではないか? と思わせるような具合だ。

「なんじゃこりゃーーーー!?」

 そのシュールさに苗木以外の者も驚く。

「……って、桑田クン!?」

「な、苗木じゃねーか!?」

「どうしてこんなところに……って、そもそもここはどこ!?」

「オレが知るわけねーじゃん!?」

「野球なら桑田クンの方が詳しいよね!?」

「……だからって、こんな場所知ってると思うか?」

「…………そうだね。ごめん」

「「………………」」

 思わず沈黙した2人は、もう一度街並みを見た。
 野球尽くしの街が広がっている。

 いや、街だけではない。

 遥か遠くにはスカイツリーもかくやというほどの巨大なビル群が見えるのだが、それらもよく見れば、
 社名代わりに野球ボールやグローブのマークが描かれている。

「おい……雲まで野球だぞ」

 空には、グローブ型の雲やボール型の雲が浮かんでいた。
 もはや野球に関するものを見ない方が難しいだろう。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
849Res/1209.94 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice