過去ログ - 苗木「穴に落ちたら別世界?」舞園「たぶん違うと思います」
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822:カタツムリ ◆VVBcRnN7PuNW[saga]
2016/07/24(日) 20:40:56.22 ID:VrjBvSNn0

「あ、布団出しまちょうか……ってもう寝てまちゅ!?
 疲れてたんでちゅね……」

 眠りについた苗木を見て、ウサミはやさしい目をした。
 だが、次の瞬間、モノクマに向かって、威嚇するように言った。

「あちしは不意を打たれてステッキを取られたりしないように、宙に浮かびながら寝てまちゅ。
 ちなみに、ウサギは寝てても物音には敏感でちゅから、悪だくみしようとしても無駄でちゅよ!」

「ふーん……。宙に浮かぶとか魔法使いアピール必死だねウサミ。
 なんなの免許更新でもあるの?」

「別にアピールしてるわけじゃないでちゅ!
 いいから、良い子も悪い子も早く寝なちゃーい!」

「………………」

 ウサミはそう言うと耳をピクピクさせながら、眼をつぶった。
 警戒しながら眠れるというのは本当らしい。

 ウサミが寝息を立てはじめ、
 モノクマが「……はぁ」とため息を吐くと、それに合わせて耳も動いている。
 狸寝入りの可能性もあるが、どちらにせよ、モノクマが何か音を立てれば、すぐにでも飛び起きるだろう。

「………………はぁ」

 モノクマは再度ため息を吐くと、自身も目蓋を閉じた。



 ……そして、なんと驚くべきこと三者の眠りはつつがなく進み、一晩は開けた。



 しかし、そのことに最も驚いたのは、目を覚ました苗木であった。

「実はこの扉の空間に見えるところが、誰かの夢の中ってことはないよね……?」

「疑心暗鬼かよ苗木クン」

 縛られたままのモノクマが呆れたように言った。
 すると、久しぶりに安眠できたからだろうか、
 寝る前よりは温和な態度で苗木がモノクマに対応する。

「いや、まぁ、てっきり……。今までのことを考えると……。
 あぁ、けど、良かったよ。これでリミッターとウサミさえいれば安眠はできるってことだよね?」

「うぷぷ……まぁ、それはそうなんだけど」

「ん?」

「ここから苗木クンが現実世界に帰還するにはどうすればいいんだろうね?」

「えっと……?」

「だって気分的には起きてるけど、体は寝てるんでしょ?
 うぷぷ……。脳波とかどうなってるんだろう?
 また松田クンが頭かかえそうな状態だよね」

「あ……」

 つまり、誰かが寝たことで扉の間に来たわけではないため、
 クラスメート全員が起きても、ここから出れない可能性があるのである。

 現在、起きている者としては朝の鍛錬があるのであろう石丸、大神(推定)、朝比奈がいる。
 しかし、他の者たちは眠っているようだ。

(少なくても、早起きは出来なさそうだな……)

 全員が起きたら出られる可能性はあるが、
 その場合でも、だいぶ先になりそうだ。

「まいったな……」

「ねぇねぇ、暇なら、いっそ誰かの夢にお邪魔したら?
 今からなら滞在時間が短くて済むかもよ?
 誰かが一緒に入ったとしても、その誰かも目が覚めて抜けるかもしれないし、
 夜になってすぐ入るより、わりかしお得じゃない?
 どうせなら、この夢に入る現象をさっさと終えて、つまらない平凡な日常に戻りたいんでしょ?」

「……つまらない日常かはともかく、
 まぁ確かに……この現象はさっさと終わってほしいよね。色々不安も残るし……。
 ……ただ、なんでモノクマがアドバイスくれるの?」



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