過去ログ - 安部菜々「嘘つきうさぎと魔法使いさん」
1- 20
29: ◆0vdZGajKfqPb
2013/11/17(日) 12:32:42.76 ID:UAae9uubo
「ファンに愛される、アイドルである必要も。
 後輩の目標となるべき、先輩である必要も。
 恋する女の子である必要も、ないんです」
 
「ちひろさん……ちょっと痛い、です……」

「痛いなら、これは夢じゃなくて現実ですよね?
 ……遊びに来た飲み友達の前でくらい、普通の女の子にならなきゃ、疲れちゃいますよ」

それはひょっとすると、悪魔の囁きだったのかもしれない。
でも、体を包み込む暖かさは、天使に抱きかかえられているようで……抗えない。

「だ、ダメですよちひろさん。そんなに優しくされたら、好きになっちゃう、なんて……」

「いいですよ。私も菜々さんのこと、大好きですから」

軽く茶化してみても、ちひろさんは後ろに回した腕を離してくれなくて。
私は目の端を拭うこともできないまま、しばらくの間泣き続けていた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
139Res/76.63 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice