過去ログ - 【安価】苗木「今日から2年生か・・・」【ダンロン1+2】
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2013/11/26(火) 06:28:29.11 ID:BVhJwVsq0
「石に躓いてこけんじゃねぇぞ、瑠衣斗」
麗は瑠衣斗に向けて拳を突き出した。
瑠衣斗はぴくりと眉を上げ、麗の拳に自分の拳を合わせた。
「城ヶ崎こそ、いいかい?
隠れる時は、いつもみたいに目立つことばかりしてたらいけないよ」
「あーそりゃ難しいな、俺様は常に輝いているから何もしなくても目立つ」
「何だそれは」
たまにだが、瑠衣斗ともこのような冗談の言い合いができるようになったのは、瑠衣斗も瑠衣斗なりに心を開いてくれていたからだと思う。
麗は瑠衣斗に背を向けた。
心なしか、健太たちの表情が緩んだように見えた。
麗と瑠衣斗がいつもと変わらないやりとりをしたことに、心が落ち着いたのだろうか。
それなら良い。
せめて傍にいてくれる仲間たちくらいは、引っ張っていかなければ。
「…行くぞ、健太、もみじ、紗羅。
俺様に、ついてきな」
「…ま、そりゃついて行くっての、チームなんだから」
もっともすぎる健太のツッコミに、紗羅ともみじが小さく笑った。
それは控えめではあるが、いつもと変わらない光景だった。
麗が皆を引っ張り、健太はそれにぶつぶつと文句を言いながらも従い、そのやり取りを見て紗羅やもみじは楽しそうに笑う――奨と咲良に見守られ、瑠衣斗と撫子に呆れられる、いつもの麗たちの姿。
ああ、そうか。
俺は悲観し過ぎていたのかもしれない。
俺が悲観すればする程、周りのヤツらは絶望する。
逆に、俺がいつも通りでいれば、皆もいつも通りでいられるのかもしれない。
麗は自分の言動が周りにいかに影響を与えているかということを自覚していた(当たり前だろう、俺様のカリスマ性は留まることを知らない)。
他のチームになったクラスメイトは敵になるというのはライドたちが押し付けてきていることであり、麗にその気はない。
クラスメイトと殺し合うだなんて、馬鹿みたいな話ではないか。
「聞け、お前ら!」
麗は声を上げた。
俯いていたクラスメイトたちが顔を上げた。
麗はできるだけいつもと変わらないような自信に満ちた笑みを作った。
「俺は政府の連中の言うことなんか絶対聞いてやらねぇ。
テメェらも、馬鹿げた真似はするなよ?
じゃあな!」
麗は颯爽と教室を出た。
目の端で、あのポーカーフェイスな利央の口許が僅かに上がったのが見えた。
「ああ、いつもの城ヶ崎だな」とでも思ったのだろうか。
それならいい。
どんなことがあっても流されてなどやるものか。
「れ…麗さま…かっこよかった…!」
廊下に出た所に待ち構えていた軍人から指差された方向へと歩き出して少しした頃、後ろからもみじが声を上げた。
麗はふっと鼻で笑った。
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