過去ログ - 【安価】苗木「今日から2年生か・・・」【ダンロン1+2】
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977:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:39:02.04 ID:BVhJwVsq0
クラスメイトを疑いたくなくとも、警戒心は自然と芽生えるものだ。

「横山。
 とりあえず落ち着ける場所を探して隠れるぞ」

裕一郎の声に、圭は振り返った。
裕一郎は既に地図を手にしており、懐中電灯で紙面を照らしていた。

「近くに建物あったよな、そこか?」

「いや…すぐ近くは誰かがいるかもしれないから避けるべきだろ。
 ここからなら…北の集落が近いか…
 沢山家がある中の1軒なら、他のヤツらと会う確率も減るだろ、きっと。
 そこで落ち着いてこれからのことを考えよう」

成程、建物なら何でもいいというわけではないのか。
サッカーに関しては実力伯仲している圭と裕一郎だが、頭脳の面については圭は裕一郎に遠く及ばない(身長なら俺が勝ってるんだけどな。まあ俺もそんな高くないけど、裕一郎は男子の中では健太に次いで身長が低い)。
裕一郎が何を言っても張り合ってきたのだが、今回は張り合うような意見がない、というよりも裕一郎の意見に全面的に賛成だった。

「多分初めて裕一郎の意見に大賛成。
 頭良いヤツは考えることが深いねぇ」

「テメェが言うと嫌味ったらしく聞こえる」

「はァ? 珍しく感心したらこの仕打ち…裕一郎クン、酷いワ…ッ!!」

「気色悪い! オネエ言葉で喋るな!」

会話を続ければ喧嘩腰になってしまうのはいつものことだ。
プログラムという異常な状況に置かれても自然と出てしまう。
しかし、このようなやり取りができるだけの余裕がまだ自分にはあるのだ、と圭はほっとしていた。
これも、裕一郎と同じチームになることができたお陰だろう。
ここに雄大や遼子もいればもっと良かったのだけれど。

「…とにかく、移動しようぜ、裕一郎。
 道案内、頼んでいいか?」

「言われるまでもねぇよ。
 テメェは平野抱えてんだから」

裕一郎には南海を責めるつもりはなかったのかもしれないが、口調がキツいので責められたと思ったのだろう、南海の肩がぴくっと震えた後、圭から手を離した。
顕昌の亡骸が視界からなくなったからか、先程までよりは落ち着いているように見えるのだが、日に焼けた顔には赤みがなく血の気が引いていた。


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